工房の錬金術師は、ポーションの材料8種それぞれの成分が不明な状態でゲームが進み、素材を調合して弟子に飲ませたり、自らが飲んだりして解明していき、お客さんにポーションを売ってお金を稼いだり、学説の出版をして勝利点を稼いだりするゲームです。
 

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タイトル 工房の錬金術師 (Alchemists)
デザイナー Matúš Kotry
メーカー Czech Games Edition (2014)
プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 〜120分
※アークライトから、アルケミストというタイトルで日本語版が発売予定です。

簡単なゲームの流れ

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  1. 各自、衝立とキューブ、フラスココマ、個人ボード、メモ用紙、入札カード4枚、材料カードを3枚、好意カード1枚を受け取り、適当な方法でスタートプレイヤーを決めます。
  2. ゲームは、「手番順決め」→「アクションの宣言」→「アクションの実行」の順番で行い、全員アクションが終わると1ラウンドが終了します。これを6ラウンド行います。
  3. 「手番順決め」は、スタートプレイヤーから順番に手番順トラックにフラスココマをおきます。手番順によっては材料カードや好意カードがもらえたりしますが、カードがもらえる手番は順番が遅くなっています。
  4. 「アクションの宣言」では、前述の手番順決めで決めた手番順の後ろの人から、手元にあるキューブをボード上のアクションスペースに置くことで宣言していきます。キューブ1つ、もしくは2つ使ってアクションを実行することができます。このフェーズではあくまで行うアクションの宣言のみ。
  5. 「アクションの実行」は、決められた順番でアクションスペースの解決を手番順に行います。
  6. アクションは、「材料の収集」「材料の変成」「ポーションの売却」「アーティファクトの購入」「誤りの暴露」「学説の出版」「学生での実験」「ポーションの試飲」の8つあります。
  7. 「材料の収集」は材料カードの獲得、「材料の変成」は材料カードをお金に変成、「ポーションの売却」は冒険者が求めているポーションを生成して売却、「アーティファクトの購入」はマーケットに並んでいるアーティファクトをお金を支払って獲得します。
  8. 「誤りの暴露」「学説の出版」は、材料の成分を発表できたり、すでに発表されているものを指摘したりできます。これにより名声点(勝利点)が獲得でます。
  9. 「学生での実験」「ポーションの試飲」は、材料2種を調合してポーションを作り結果を知ることができます。ポーションがプラス効果のものであれば特に何もありませんが、マイナス効果であった場合、学生に飲ませていたらその後の実験にはお金を支払わなければならなくなります。自らが試飲していた場合は、次のラウンドの手番が遅くなったり名声点を失ったりと、ペナルティを受けることがありますが、どんな結果であれ、お金を払わずに試せます。
  10. ゲーム内の判定には、スマートフォンのアプリで判定することができます。アプリがなくともプレイすることができますが、審判役が1人必要です。
  11. 全6ラウンドを行い、勝利点の高いプレイヤーの勝利です。

リプレイ&所感

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★ ★
テンポ
会話
★ ★ ★
4人でプレイ。

まずは手番順決め。材料は調合してしまうと捨ててしまうのでカードは複数あってこまるものではないので、カードがもらえる手番順を選び、材料3枚を得る。結果3番手。何も情報がないので調合しないと始まらない!ということで、学生での実験を宣言。あとは変成と材料採取に。皆も同様の学生での実験を宣言。手番順に解決していく。

前の手番の人がマイナス効果のポーションを生み出すとそれ以降の手番プレイヤーはお金を払わなければならなくなるので、マイナス結果が出ないように祈るばかり。最初のプレイヤーは青のプラス効果、2番手は緑のプラス効果となり、追加コストなしで私の手番。ドキドキの初調合。シダとヒキガエルを調合してみて結果は緑マイナス。ということは、シダとヒキガエルには緑プラスの成分はないということがわかった。

次のラウンドの調合では花と鳥の足鉤爪をチョイス。結果は赤のプラスを得られた。ということは、この2つの材料には赤のマイナス成分がないということもわかった。これをコツコツとやっていけば、材料の成分はわかってくるのだけど、なんせ全6ラウンド。手番が少ない中、8種全部の成分を特定するのは不可能。そこは山を張ったり、人の学説を聞いて情報を得たりしながら可能性を絞っていく必要がある。

ゲーム途中には学説を出版していないとペナルティを受けたりすることもあるので、限られた情報から推理し、自分の推理を信じて学説を発表しなくてはいけない。推理が好きな人にとっては堪らない。

残りラウンドも少なくなってきたところ、いろいろな情報の連鎖で成分が特定されていく。視界がハッキリりてくるところが堪らなく面白い。各自情報が集まっているので次々と学説発表。時には自分で発表した学説も実は間違ってると気が付いたら、自らが自分の学説を指摘することもある。

今回は8種中5種くらい成分が特定できた頃にゲームは終了。37点で2位でした。

グレーな情報で進行していくゲームなので、推理して、ギリギリまで正解の確率をあげてからアクションを行って、正解に近づいていくというのが楽しい人にはオススメ。

アナログゲームなんだけどもスマホのアプリを使うというのも、他のゲームにはない特徴。とても奇妙なゲームです。面白かった!
ちなみに、ルールの和訳はBGGにアップされています。